君津商工会議所

君津商工会議所秋元会頭

編集局: こんにちは、秋元会頭のお話をお聞きしたいと思います。宜しくお願い致します。
会頭: ようこそいらっしゃいました。どうぞこちらへ。
編集局: 会頭の小学生の頃は君津の町はどのような所でしたか。
会頭: 海と山と川があり、県内を代表する農漁業に恵まれていたと思います。
2本の河川と丘陵、平坦な土地が農業に適しており、遠浅な海岸が海苔の養殖に向いていました。
編集局: 会頭の父親はどんなお仕事をされていましたか。
会頭: 私の父親は漁業をしておりました。
若くして東京に行き東京都水産試験場で仕事をしました。
その後、終戦で君津に戻り海苔の養殖をはじめました。
私は海苔養殖の手伝いをしながら学業に専念致しました。
編集局: 会頭の少年時代はどのような事をしていましたか。
会頭: 父親の仕事で6才の頃まで東京の品川に住んでいました。
君津に戻り高校時代は駅伝マラソン、長距離走で活躍していました。
当時は学問より手に職を持つことが優先された時代でした。
祖父の考えもあり学問にも専念する事が出来ました。
編集局: 株式会社富士食品はどのように創業されましたか。
会頭: はまぐり問屋として秋元水産を10年間経営しました。その後新日鉄の進出による埋め立てに伴い転業し、現在の富士食品に至ります。
編集局: 会頭は仕事に対する行動力があると思いますが、どうしたらそのようなパワーが生まれるのですか。
会頭: 家族を養わなければならないという思いが自分を頑張らせました。

編集局: 富士食品を創業した時は何歳の時でしたか。
会頭: 35歳の時でした。
編集局: 当時ですと会社創業は大変だったのでは。
会頭: 転業をしましたので、海から陸に上がった河童同様に会社運営は大変でした。
赤字経営の時もありました。
昼夜を問わず働いたおかげで現在まで経営してこれました。
編集局: 仕事に専念するあまり、子供達への家族サービスはどのようにしていましたか。
会頭: 子どもと遊ぶ時間はほとんどなかったと思います。
子供が休みの日に仕事の合間を縫って配送車に同乗させるくらいがやっとでした。
編集局: 仕事に対するストレスはなかったですか。また発散方法は。
会頭: 仕事をすることがそもそもストレスの発散でした。
ストレスをためない性格であまり困らなかったです。
当時は家業として食品販売をする事は女性、子供がする仕事という概念がありました。
時にはこれがコンプレックスになる事がありましたが全国一の食品会社を目指すという目標を掲げる事で克服しました。
またホンネで付き合える良き友達に恵まれ、その友達と話をする事によりストレスは解消された一面もありました。

編集局: 会頭のようにどのようにしたら信用、信頼を得ることが出来ますか。
会頭: そうですね。一言で言うのは難しですが、仕事に対して一生懸命である事を心がけています。
一生懸命であれば周りの人が応援してくれて信用、信頼を得ることが出来ると思っています。
編集局: 個人的な考えですが君津市長になって頂きたいと思いますが。
会頭: 政治家とは選挙という過程があるので自分の信念を貫く事が時には難しいと思います。
その点商売は良くなるも悪くなるも自分の経営理念しだいで決まると思います。
自分の信念を曲げたくないという思いがあるので商人の道を選んできました。
編集局: でも政治家へのお誘いはあったのではないでしょうか。
会頭: そうですね。ありました。

編集局: 会頭が考える商売の秘訣とは。
会頭: お客様の御用聞きとなる事です。
訪問することでお客様と会うこと多ければ良き友人となれます。
私の恩師が創業時与えてくれた言葉は「願いや、望みを持つ者は足を運びなさい。その努力がなければ人の心は動かせない」。
どんな時代になっても商人に必要な心構えだと感じています。
今春、君津商工会議所は市内の訪問事業者を募り、市民にサービスを提供する「まごころ支援事業」をスタート致します。
買い物で不自由されている市民の方々に是非活用していただきたいと思ってます。
編集局: 今日まで会社経営がうまくいっているのはどうしてだと考えていますか。
会頭: よき友人を沢山持っていることであります。
ホンネで語り合える仲間や取引先がいたからこそ、そういう人達が助けてくれました。

編集局: 会頭は現在80歳を超えていますが、まったく年齢を感じさせません。その元気の源はなんでしょうか。
会頭: くりかえしになりますが、男女問わず良きお友達がいてホンネで話が出来ることであります。
編集局: 健康でいられる秘訣は何ですか。
会頭: 好奇心旺盛で情緒心を大切にすることかと思います。
興味を持つことは感性が刺激され情緒豊かな心を持つことに通ずるところがあると思います。
それと時間があれば小さな旅に出かけています。
編集局: 食事についてはいかがですか。
会頭: 食事は全部手作りを心掛けています。
良い食事は良い身体をつくるという事です。
編集局: 長生きしている人はまだまだみんなが必要としているからだと思っていますが、個人的に会頭はそのような存在に思いますが。
会頭: 自分がこの歳まで元気で入られることは、神様の思し召しですかね?
編集局: 君津の町をどういうふうにしていきたいと考えていますか。
会頭: 今のままを維持したいと思っています。
君津は県内で安定した一番良い町だからです。
人口は微減しているいるので大型チエーン店が進出してこない、この状況下がアンバランスなバランスを生んでおり、地元商店が生き残るチャンスを残しているのです。
やはり地元の商店が元気である事が町づくりの要だと言えます。
今後は観光業を活性化させなければならないとも考えています。
交通インフラを整えたうえで、三舟山に観音様を招いて三舟山観音を造ってみたり、行政と日本郵政がタイアップして年賀状日本大賞コンテストをと考えています。
こうした事業を通して君津の知名度を全国に広げる事が必要でしょう。
編集局: 大変良いお話をお聞かせ頂いてありがとうございました。